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台湾個人旅行パノラマ
Date: 2001/09/24 - 09/27
Camera: Olympus C-2020Z + Wideconverter
付記:台北の観光情報は、 「旅々台北.com」が便利である。
四年も前の旅行の話を書くのは、なかなかに困難なことであるが、 写真などを見ながらつらつらと想い出すままに、綴っていくこととする。
何から語りはじめればいいだろうか。 当時、私は高校時代からの悪友であった如月氏(文芸部時代のペンネーム)を いろいろな事情で自宅に住まわせていた。 さっさと卒業と就職を決めたものの、 春までこれといってすることもなく、 日々を我が家でぼんやりと過ごしている如月氏を 見かねた私はある日、
「なんかもったいないよ。どこかへ旅行にでも行きなさい。 卒業旅行だ。・・・そうだ。台湾へ行け!」
と、唐突な提案をした。
Fig01
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上段:お土産の野球カード
下段:お土産その2タバコ
なんと数年単位で賞味期限切れ。
肝心の甘栗写真は
どこかへいってしまった。
 なぜ台湾なのか。このころ、 たまたま読んだ さくらももこのエッセイから 台湾の甘栗がむちゃむちゃうまいという情報を得た私は、 もとより、大の甘栗好きでもあり、 なんとかして台湾の甘栗を食いたいと思うようになっていたのである。 バイト収入でリッチ、かつ暇をもてあましているこの男を 利用しない手はない、というわけだ。
 数日後、同じ大学に通う友人と連れだって 如月氏は台湾へ旅立ち、これといって事件に巻き込まれることもなく帰還した。 もちろん、頼んでおいた甘栗も持ち帰っている。 お帰りという言葉もかけないうちに、 甘栗の入った袋を奪い取った私は 期待に胸をふくらませて一口。
「たいしてうまくない。煮えてないし。」
こういうやつしか売っていなかった、説明する如月の胸ぐらをつかみ 揺さぶりながら私は嘆いた。
「これはにせものだ! 貴様、まんまとだまされてきたな! ええい、今度はワシ自らが甘栗を奪ってこようぞ!」
かくして、私の台湾行きは決まったのである。
 おおよそのところで以上の話はでたらめなのだが、 甘栗奪取という名目で、本当にねらっていたのは 伝説の台湾飲料である「マンゴー牛乳」 海賊版カウボーイビバップDVDBOXにあったことは、 この際伏せておこう。

Fig.02
国内線の松山空港でも
厳重な手荷物検査が行われていた。
 2001年9月24日、私は関空発台北行きエバーグリーン航空の 機上にいた。日をさかのぼること十日余りの9月11日、 米国ではあの同時多発テロが発生し、世界中が騒然となっていた矢先のことである。 以来、空港では厳重な手荷物検査が行われるようになり、 松山から伊丹へと移動する国内線においても、 我々の荷物は厳しく取り調べられたのだった。
 そう、「我々」とあるように、私は一人ではなかった。 この旅の相棒は、 大学一年生のときに共に結託して某サークルを脱退した 遊び仲間であるところの、Tき君である。 このたいきという名前、某サークルでつけられる愛称なのだが、 サークルを抜けても我々はお互い愛称で呼び合っており、 現在、彼の方は私を本名で呼ぶが、 私は以前、彼をTき君と呼んでいる。
 ともかく、如月氏が甘栗買い物ツアーに敗れた春から 約半年を経た9月、我々は夏休みを利用して (大学院に進学したので夏休みがある) 約束の地へと飛び立ったのである。 高校の修学旅行の帰途ソウルから広島への飛行機に乗って以来、 実に人生二度目の飛行体験である私と、 海外自体が初めてのTき君の二人組は 離陸の加速に、美しい客室乗務員に、 窓から見える光景に、独特の存在感を放つ機内食に いちいち大興奮の体であった。
Fig.04
まずは両替
Fig.05
バスに乗り込み、いざ市内へ
 鼻息を荒くし続けること3時間あまり、 デジカメ写真のタイムスタンプによると17時半ごろに 我々は台北市内にほど近い松山機場へと降り立った。 トラベラーズチェックだの、クレジットカードだのといった 面倒なものが嫌いな我々は、 清く正しい資本主義社会の消費者として まずは現地通貨を手に入れることにした。 到着ロビーの隅にある両替所で 台湾元を入手。具体的な金額は覚えていないが、 基本的に日本とそう変わらない物価であると踏んでいたはずだ。
 市内中心部へと向かうには、リムジンバスに乗る必要があった。 海外個人旅行界に圧倒的権力を築き上げているこの本から、 事前に乗るべきバスや降りるべき停留所の情報を得ていた我々は まったく迷うこともなく、チケットを入手することができた、と思う。 紫色に塗装された日本とは少し違うセンスのバスに 少々おののきながらも 我々は台北市内中心部へと向かったのであった、ことだろう。

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